体験イベントノウハウ
VR体験イベントで何回かデモをしていて気づいた、イベント当日のオペレーションの注意点についてまとめました。
Oculus Riftでのデモについて記述していますが、HTC Viveなどでも概ね同様かと思います。
なお、展示コンテンツの内容として気をつける点については、[VR酔いの軽減>Devel/OculusRift/VR酔いの軽減)をご覧ください。
あると良さそうなもの
あると良いかなと思ったものを書き並べてみました。
もちろん必ずしも必須ではありません。
品目 | 詳細 |
---|---|
センサーを高い所に設置するための機材 | 座ってプレイする場合は製品版のポジショントラッキングセンサー付属の台で概ね問題ないが、立ってプレイする場合や、机がない場合は必要。 三脚やこんな感じの自立する一脚、こんな感じのねじ付きクリップがあると良い。 |
ヘッドホン | 没入感を高めるためにあると良い。製品版では付属しているため不要。 イヤホンは衛生上の問題があるため、ヘッドホンが望ましい。 なお、立って体験するコンテンツの場合は安全に配慮してヘッドホンはしない方が良さそう。 |
電源タップ | 複数人でデモする際はコンセントが不足することがあるため、あると良い。 |
USB延長ケーブル | HMD付属のケーブルは意外と短い。体験者とPCの距離がある場合は必要。 ただし、動作不良を起こす可能性もあることに注意すること。 こんな感じのものだか、規格上最大3mであることに注意。 |
HDMI延長ケーブル | HMD付属のケーブルは意外と短い。体験者とPCの距離がある場合は必要。 ただし、動作不良を起こす可能性もあることに注意すること。 こんな感じのものだが、実質的には5m以上の延長には困難である模様。 |
Oculus Remoteまたはゲームコントローラー | Health and Safety Warningをスキップするのにあるとスムーズ。 ゲームコントローラーは製品版付属のXbox Oneコントローラーの他、XInput対応のゲームパッドが使える模様。 |
ねじ回し | PCにトラブルが発生した場合、会場でPCを開けるために必要。 ローレットねじに交換するのも手。 |
養生テープ、なければガムテープ | 後述の床表示、張り紙、ケーブル類の固定に便利。 |
マジックペンと紙とクリアファイル | 現場でPOP、操作説明書、列形成方向の張り紙、最後尾札、休憩中の張り紙などを製造するのに便利。 |
ウェットティッシュ | 機材の清掃や、体験後の体験者の汗のケアにあると便利。 清掃用にはすぐに蒸発するようにアルコール入りを、体験者用には肌に優しいアルコールなしを用意するとより良い。 |
メガネ拭きなどの柔らかい布 | レンズを傷つけずに清掃するためにあると良い。 メガネクリーナーふきふきが便利という噂。 |
ひざ掛け | 座る、あるいは横になるコンテンツを提供する場合にスカートを履いている女性向けにあると良い。 |
HMDへの皮脂やファンデーションの付着防止機材 | VR Coverや、ニンジャマスクなど。 市販のマスクを切り抜いたり、キッチンペーパーで自作しても良さそう。 |
のどをケアするもの | 展示側はずっと声を出し続けるため、のどを痛めがち。 のど飴やのどスプレーがあると良い。 |
数取器(集計カウンター) | 体験者のカウントをしたい場合は必要。モチベーションの維持のためにあると良い。 |
周辺機器の予備電池(2016.11.27追記) | 会場で周辺機器(コントローラやOculus Remoteなど)の電池を調達するのは難しいので、持って行った方がよい。 バッテリー取り外し不可の機器の場合は予備機を用意する。 |
会場整備で気をつけると良さそうなこと
- 太陽光のもとではポジショントラッキングが上手く動作しないことがあるため、展示場所は屋内や日陰を選ぶこと。
- 鏡やガラスの付近は赤外線を反射し、ポジショントラッキングが巧く動作しないことがあるため、極力避けること。 避けられない場合は、紙や布で覆うこと。(2016.11.27追記)
- 体験者が観客にぶつかり怪我をさせる可能性があるため、体験者の周囲に十分なスペースを確保すること。 (養生テープで床に円を描き、体験スペースを示すのもありかも)
- 待機列の最後尾札を作成すること。 (札を掲げるスタッフを用意するか、あるいは札を最後尾の方に持っていただくようにすると良さそう。)
- 待機列の形成方向を明示すること。 (張り紙をしたり、養生テープで床に線を引くのもありかも)
- 混雑が想定される場合は整理券制にすることも検討すること。
- USBケーブルや、HDMIケーブル、ヘッドホンのケーブルはテープでPC本体か机に固定すること。 (体験者がケーブルを引っ張ってもPC側コネクタに負担がかからないようにするため。)
- RiftのセンサーやViveのベースステーションを載せた三脚はテープで床に固定すること。(怪我の防止、VR酔いの防止、機材の破損の防止)(2016.11.29追記)
- ヘッドホンの音量を確認すること。
- コンテンツのタイトルと概要が分かるPOPを用意すること。
- 操作方法の説明書を用意すること。
- 無線機材は混信のため動作しないことがあるため、極力使用しない。 有線機材に差し替えること。
- 全ての機材にテープを貼り、名前を書く。(展示者間の取り違え防止)(2016.11.27追記)
- 複数のケーブルがある場合、ひとまとめにしておく。(体験者の転倒確率軽減)(2016.11.27追記)
- PCなどのプラグは、電源タップの定格とブレーカーの定格を意識して、接続する。(電源断防止、火災防止)(2016.11.27追記)
- 体験者から遠い場所に体験者用の荷物置き場を用意する。(PCの裏側など。置き忘れ防止、盗難防止)(2016.11.27追記)
- 非常口の場所を確認し、非常時に体験者を誘導できるようにしておく。(2016.11.27追記)
体験者が列に並ぶ前に知らせた方が良さそうなこと
- 13歳未満は体験できないこと。
- Oculus Riftの場合は、眼鏡を使用できない可能性が高いこと。 (一方、HTC Viveの場合は使用できる可能性は高いので周知は不要かも。)
- 眼鏡の使用によって、レンズに傷が生じたり、フレームが歪む可能性があること。(2016.11.27追記)
- 体調が悪い方は体験できないこと。 (ドッキリ系、ホラー系の場合は特に体調制限)
- 髪型が崩れること。
- お団子ヘアはほどく必要があること。(2016.11.27追記)
- 化粧が崩れる可能性があること。(2016.11.27追記)
体験者がHMDを装着する際に気をつけた方が良さそうなこと
- 荷物置き場に荷物を置いてもらう。(置き忘れ防止、盗難防止)(2016.11.27追記)
- 体験者が持ってきたドリンクは最悪の場合こぼれてしまっても電子機器にかからない場所に置くこと。(機器故障防止、火災防止)(2016.11.27追記)
- コントローラーの操作説明はHMDを被せる前に行う。 口頭ではなく、操作説明書があると良い。
- 急激に体を動かすと、体験者自身や観客が怪我をする可能性があること。(2016.11.27追記)
- HMDを被せる際には必ずひと声かけること。
- 視界がぼやけていないか確認すること。特に上下方向のずれに気をつける。 体験者によく見える箇所で保持してもらい、その後にバンドを締めると良い。
体験者の体験中に気をつけた方が良さそうなこと
- 絶対に体験者から目を離さないこと。
- 体験者が転倒したり、椅子から転落したりしないか注意すること。
- 体験者が周囲の方にぶつからないように注意すること。
- 体験者ががPCから離れすぎないように注意すること。 (ケーブルやHMDが破損します。)
- 以上のことに当てはまらない場合は、体験者に声をかけないこと。 (没入を阻害します。)
- アプリのトラブルなどで、アプリの再起動が必要になった場合は、一旦HMDを外すか、目をつぶっていてもらうこと。
体験者の体験後に気をつけた方が良さそうなこと
- HMDを外す際には必ずひと声かけること。
- 酔ったかどうかを確認すること。 酔ったと申告があり、この後、自転車や自動車に乗る場合は、その前に十分に休憩するように伝えること。(交通事故の加害者/被害者になる可能性がある)
- メガネ着用者にはメガネ拭きを渡すこと。(2016.11.27追記)
- 体験者の荷物の置き忘れに気をつけること。
- HMDのフェイスパッド部やレンズを清掃すること。
- ヘッドホンやコントローラを清掃すること。
- LEAP motionがある場合は、ガラス面を清掃すること。
- 周辺機器(コントローラーやOculus Remoteなど)の電池残量を確認する。(2016.11.27追記)
イベント後にした方が良さそうなこと
- HMDのフェイスパッドの汚れがひどい場合は、メイク用のスポンジクリーナーで洗濯するのも手です。