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製品版のセットアップはてなブックマーク

いよいよOculus Rift製品版(CV1)が発売されました。

このページでは、Oculus Rift製品版のセットアップ方法について解説していきます。


以下はOculus Runtime 1.3.0をベースにご説明します。

準備 Permalinkはてなブックマーク

推奨スペックを満たしているかの確認

まずは、お使いのPCが動作環境を満たしているかどうか確認しましょう。


詳細は../製品版の動作環境に記述していますが、公式の確認ツールで確かめてみた方が早いと思います。


Rift compatibility tool for Windowsをダウンロードして、実行します。


問題がなければ、下のような画面が表示されます。


compatibility_tool.png

快適性の確認

VR体験が快適かどうかはベンチマークソフトである程度測ることができます。

お使いのPCで快適にプレイできるかを測ってみてもよいでしょう。


3DMark

Oculus VR社の創設者パルマー・ラッキー氏によれば、「(3dMarkのFIRE STRIKE 1.1の)スコアが9000を超えていたら問題ない。」とのこと。


なお、FIRE STRIKE 1.1において、
"Gaming PC (Oculus Rift recommended spec)"と表示されているスコアは、9271です。


3DMarkをダウンロードしてFIRE STRIKEを実行してみましょう。

スコアが9000を超えていれば問題ないと思います。


3dmark.png



SteamVR Performance Test

また、Oculus Riftとは直接関係はありませんが、 SteamがHTC Vive用にリリースしているベンチマークツールも目安になるでしょう。


SteamVR Performance Testをダウンロードして実行してみましょう。

「VR レディ」と表示されていれば問題ないと思います。


steam_vr_performance_test.png

セットアップ Permalinkはてなブックマーク

Oculus Rift Setupからセットアップツールをダウンロードして実行し、画面の指示に従ってください。

下記に注意しましょう。

  • インストールには4GB以上の空き領域が必要です。
  • これまでDK2を使っていた方は下記も留意する必要があります。
    • インストール前に旧Oculus Runtimeはアンインストールしておく必要があります。
    • DK2とカメラはPCから外しておく必要があります。


ちなみに、1.3.0以降からOculus Runtime単体での配布はしていません。

間違えてOculus SDK for Windowsをダウンロードしないよう、ご注意ください。


Oculus Rift製品版を持っていない場合、セットアップ中は適宜[Skip]を押して進めましょう。


なお、PINや本名の取り扱いにはご注意ください。

トラブルシューティング Permalinkはてなブックマーク

HDMIポートがないので、MiniDisplayportに接続したい。

極力変換アダプタなしで直接ビデオカードのHDMIポートに接続することが推奨されていますが、物理的にHDMIポートがない場合があります。
MiniDisplayportがある場合は、公式では、 Accell UltraAV Mini DisplayPort 1.1 to HDMI 1.4 Active Adapter経由で接続することがおすすめされています。
国内で買うならこの商品だと思います。

Rift compatibility toolにて"your USB ports is incompatible with Rift"と表示された場合 Permalinkはてなブックマーク

USB 3.0ホストコントローラーが非互換です。

公式ではFresco Logic FL1100EXチップセットのUSB 3.0インタフェースボードが推奨されています。

国内で買うとしたら、Inateck KTU3FR-4Pが良さそうな雰囲気です。(筆者は試していません)

セットアップの途中で停止した

セットアップの途中で"Restart Computer"、"Sorry, we encountered an error during installation."と表示されてセットアップが停止した場合。

まずは、ビデオカードのドライバが最新か否かを確認し、古ければアップデートし、再度セットアップを実行してみてください。 (参考:Oculus Riftはじめました - ITmedia


それでも事象が解消しない場合、次に、セットアップツールのログファイルを表示して事象の切り分けをしましょう。

  1. Windowsキー+Rを押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示させる。
  2. %LOCALAPPDATA%\Oculus\OculusSetup.log と入力する。
  3. [OK]ボタンをクリックする。


ログファイル内に"This access control list is not in canonical form and therefore cannot be modified."と表示されている場合 Permalinkはてなブックマーク

レジストリの問題です。下記のようにして対処します。


  1. Windowsキー+Rを押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示させる。
  2. regedit.exe と入力する。
  3. [OK]ボタンをクリックする。
  4. ツリービューのHKEY_LOCAL_MACHINEを右クリックし、[アクセス許可]を選択する。
  5. "Windows Security"というタイトルのダイアログが表示されたら、[Reorder]ボタンをクリックする。(日本版Windowsでのボタンの表示は不明)
  6. [OK]ボタンをクリックする。
  7. 同様の作業を下記のノード分繰り返す。(存在する場合)
    • HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE
    • HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/Wow6432Node
    • HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/Wow6432Node/Oculus VR, LLC
    • HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/Wow6432Node/Oculus VR, LLC/Oculus
    • HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/Wow6432Node/Oculus VR, LLC/Oculus/Config
  8. 変更が終わったら、OculusSetup.exeを再実行する。


ログファイル内に"visual-cpp-2015.exe exited with code 1638"と表示されている場合 Permalinkはてなブックマーク

セットアップツールがインストールしようとしているVisual Studio 2015 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ(Microsoft Visual C++2015 Redistributable)のバージョンは14.0.23506なのですが、それよりも新しいバージョンがすでにインストールされているために発生した事象です。

次のようにして対処します。

  1. [コントロールパネル]の[プログラムのアンインストール]で"Microsoft Visual C++2015 Redistributable"をアンインストールする。
  2. Windowsを再起動する。
  3. OculusSetup.exeを再実行する。


ログファイル内に"OVRLibrarian.exe exited with code 7"と表示されている場合 Permalinkはてなブックマーク

ファイアウォールにより通信が阻害されたため発生したのではないか、と推測されています。

McAfeeやComodoやZoneAlarmもアンインストールしてからセットアップしてみることが、Oculus VR社のcyberealityから提案されており、解決した方がいます。


なお、アンインストールでなく、ファイアウォールをdisableすればよいのではないか、とも思えますが、cyberealityによるとdisableではバックグラウンドで動作している可能性があるためアンインストールをしてほしいとのことでした。


ログファイル内に"OVRLibrarian.exe exited with code 12"と表示されている場合

Visual StudioのVisual C++ 再頒布可能パッケージのアンインストールで直ったという報告があります。


ログファイル内に"OVRLibrarian.exe exited with code 104"と表示されている場合 Permalinkはてなブックマーク

ドメインに属しているPCでありユーザを追加できなかったため、本事象が発生したのではないか、と推測されています。

ドメインユーザではなく、ローカルユーザでセットアップしてみるといいかもしれません。

(詳細が分かりましたら、追記します)

Cドライブの容量が不足していてVRアプリがインストールできない Permalinkはてなブックマーク

2016.04.18にリリースされたOculus software 1.3.2にてシステムドライブ以外へのインストールができるようになりました。

ただし、次の場合は、"Change Drive"ボタンがグレーアウトし、押せません。

  • 他のドライブがない場合。
  • 他のドライブがリムーバブルドライブである場合。(USBハードディスクなど)
  • 他のドライブがネットワークドライブである場合。
  • 他のドライブの空き容量が4GB未満である場合。
  • 他のドライブのフォーマットがNTFS出ない場合。

Oculus Homeに"No HDMI connection"と表示され、Oculus Rift製品版が動作しなくなった Permalinkはてなブックマーク

セットアップは正しく完了しており、Riftが正常に動作していたのに、
急に下記のように表示され、Riftが動作しなくなることがあります。

no_hdmi_connection.png

スリープからの復帰時によく起こるようです。

原因はハードウェア的な問題からソフトウェア的な問題まで色々ある模様。


Redditや公式フォーラムの情報を収集したところ、下記を試すと良さそうです。


  1. ビデオカード側のポートがDVIやDisplayportであり、それを変換アダプタでHDMIポートにして、そこにRiftを接続している場合、
    アダプタを使わずビデオカードのHDMIポートに直接接続するようにしてみる。
    (逆にDVI-HDMIアダプタ経由で接続したら動作するようになったという事例もあります。パッシブ型。)
  2. RiftのUSBコネクタをUSBハブに接続している場合、
    USBコネクタを一旦抜き、USBハブでなくPC本体のUSBポートに直接接続するようにしてみる。
  3. RiftのHDMIコネクタ、USBコネクタを一旦抜き、挿しなおしてみる。 (事例
  4. ヘッドセット側のコネクタを一旦抜き、挿しなおしてみる。(実はヘッドセット側のコネクタは取り外し可能です)
  5. RiftのUSBコネクタを一旦抜き、USB 3.0ポートではなく、USB 2.0ポートに挿してみる。
  6. RiftのHDMIコネクタを一旦抜き、別のHDMIポートに挿してみる。
  7. Oculus Appを起動した状態で、RiftのHDMIコネクタ、USBコネクタを一旦抜き、またすべてのモニタを取り外し、HDMI、USBを接続後、モニタを接続してみる。(事例
  8. Oculus Appを一度終了させ、再度Oculus Appを起動してみる。
  9. Oculus Appの左ペインの[Beta]をクリックし、[Restart Oculus]をクリックしてみる。
  10. タスクマネージャを起動し、OVRServer_x64.exeを終了させてみる。(OVRServer_x64.exeは自動的に再起動します。)
  11. RiftのUSBコネクタとHDMIコネクタを抜き、PCを再起動し、Windowsが起動してから、HDMI、USBを挿しなおしてみる。(事例
  12. NVIDIAのグラフィックスドライバをアンインストールし、PCを再起動し、再度グラフィックスドライバをインストールしてみる。
  13. サポートに問い合わせて代わりのケーブルを取り寄せ、交換してみる。(事例


その他、
一度別のPCにRiftを接続後、元のPCに接続すると直ったという報告があります。


ヘッドセットやセンサーの接続が断続的に切れる Permalinkはてなブックマーク

ヘッドセットやセンサーの接続が断続的に切れることがあります。
このときOculusアプリ上は、"Connected"と"Warning"が頻繁に切り替わります。 (症例


原因のひとつとして、USBの省電力機能が悪さをしている場合があるようです。


次のように対処します。

  1. デバイスマネージャーでの操作。
    1. スタートメニューを右クリックし、[デバイスマネージャー]をクリックする。
    2. [ユニバーサルシリアルバスコントローラー]を開く。
    3. 配下の項目をダブルクリックする。
    4. [電源の管理]タブをクリックする。
    5. [電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする]を無効にする。
    6. [OK]ボタンをクリックする。
    7. 項目の数だけ繰り返す。
  2. 電源オプションでの操作。
    1. スタートメニューを右クリックし、[電源オプション]をクリックする。
    2. [プラン設定の変更]をクリックする。
    3. [詳細な電源設定の変更]をクリックする。
    4. [USB設定]>[USBのセレクティブサスペンドの設定]をクリックする。
    5. 設定を無効にする。
    6. [OK]ボタンをクリックする。
usb_power_1.png
usb_power_2.png

Oculus Store外で入手したアプリが動作しない

Oculus Store外で入手したアプリを起動しようとしたところ、下の画像のようにヘッドセットに"You're trying to run an app from unknown source."と表示され、アプリが起動しない場合。

unknown_source.jpg


Oculus Store外のVRアプリは、Oculus VR社によるセキュリティ、快適性、コンテンツ(の品質)、健康と安全上の確認作業を経ていないため、デフォルトでは起動できないようになっています。

自己責任となりますが、次のように許可をすることで、Oculus Store外で入手したアプリを起動することができます。


  1. Oculus Homeの歯車アイコンをクリックし、[Settings]をクリックする。
    allow_unknown_sources01.png
  2. [General]をクリックする。
    allow_unknown_sources02.png
  3. [Unknown Sources]を有効にする。
    allow_unknown_sources03.png
  4. [Allow]ボタンをクリックする。
    allow_unknown_sources04.png

Oculus Runtime 1.3.0以降でOculus Rift DK2のIPD調整ができない Permalinkはてなブックマーク

Oculus Rift DK1やDK2の時代に公開されていた過去のOculus Runtimeでは、ソフトウェア的にIPD(瞳孔間距離)の調整をすることができました。

しかし、Oculus Rift製品版ではIPDの調整をハードウェア的にできるようにしたことから、最新のOculus RuntimeにはIPD調整をする機能がなくなりました。


機能がなくなったため、通常のやり方では設定できませんが、実は設定ファイルを直接編集することで設定できます。

  1. テキストエディタで %LOCALAPPDATA%\Oculus\NetServer.cfg を開く。
    (%LOCALAPPDATA%は環境変数で、値として、 C:\Users\【ユーザ名】\AppData\Local のような値が定義されています)
  2. "DK2LensSeparationOverride"の行を編集する。
    例えば、IPDが68.5mmであれば、
    "DK2LensSeparationOverride":	0.0685,
    のように設定する。
  3. Windowsを再起動する。(恐らくOVRServerの再起動で十分ですが、簡単のためWindowsの再起動をお勧めします)


任意のVRアプリでスペースキーを押すと表示されるOVRMenu上は64.0000mmと表示されているかもしれませんが、極端な値にすると反映されていることが確認できると思います。

Oculus Homeの暖炉の音がうるさい Permalinkはてなブックマーク

音量ミキサーでOculusVR.exeをミュートしましょう。


mixer.png

参考

Amazon

差分 一覧